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【タートルズ新生!】IDW版タートルズとは?

2024-02-02/0/1
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新シリーズ「アンリミテッド」始動!

IDW版「ミュータントタートルズ」を詳しく解説!

ついに発売、新作「ミュータントタートルズ:アンリミテッド シティ・フォール(上)」。

これまで初代タートルズ「クラシックコレクション」、最後のタートルズ「ラスト・ローニン」、懐かしのアニメ版タートルズ「TVアドベンチャー」等、複数のシリーズを展開してきたフェーズシックスが新たに開始する新シリーズ、その内容はなんと…ShoPro Booksよりかつて邦訳された、IDW版「タートルズ」の続き!?

続きなのにここから読んでも大丈夫!?

今回はこの「シティ・フォール(上)」以前に邦訳された、IDW版タートルズに関して解説します!

 

IDW版タートルズとは?

IDW版「ミュータントタートルズ」コミックシリーズは、2011年からIDW社にて出版が開始されたシリーズ。2024年現在まで継続しており、早いものでもうその話数は150話近く!

このシリーズは「ラスト・ローニン」シリーズ等で脚本を務めるトム・ワルツが同様に脚本担当しており(本来の時系列としては、本シリーズからラスト・ローニンでも引き続き担当、というところですが)、従来のシリーズにない様々な革新的な内容で「ミュータントタートルズ」というコンテンツのリブートを図った作品となります。

特徴的な点として、タートルズの因縁に関わる新たな敵ミュータント「オールド・ホブ」の存在や、女性タートルズ「ジェニカ」の存在など、特筆すべきことが多数あります。

しかし中でも一番衝撃的な変更は…タートルズ全員が「ニンジャの生まれ変わり」であること!そして、宿敵シュレッダーも現代に復活した過去のニンジャであることです!

↑数百年前、ニンジャの師範代ハマト・ヨシと4人の息子たち。この後彼らを悲劇が襲う…

IDWタートルズの過去。それは、数百年前に遡ります。日本に住んでいたニンジャ、ハマト・ヨシ。彼は4人の息子たちに忍術を教えながら暮らしていました。……しかし、彼らの暮らしを乱したのは彼の宿敵、オロク・サキ!彼に捕えられた4人の息子とヨシは斬首され、無念の死を遂げます。

↑斬首されるハマトと息子たち。4人の着物の色に注目。そしてこの敵ニンジャの正体は!?

 

  

しかし現代、とあるラボにおいて一匹のネズミがその前世を思い出します。インターンの大学生、エイプリルによって名付けられた彼の名はスプリンター。そう、彼は生まれ変わっていたのです!

そして同時に、同じラボで実験動物として扱われていた4匹の亀。彼らこそが自身の息子の生まれ変わりだと確信していました。

ラボが謎のニンジャ集団に襲撃され、偶然にも漏れ出した謎の物質ミュータジェンに触れたことでスプリンターは少しずつ、我々のよく知るミュータントの姿に変異を初めていました……が、その時に現れたのが野良猫、オールド・ホブ。ホブは4匹の亀の一匹……ラファエロを連れ去ろうとしますが、息子を連れ去られるまいと奮闘した小さなネズミに右目を傷つけられ、立ち去ります。しかしそのときラファエロも行方不明になってしまい……また、ホブもミュータントへと変異を初めていったのでした。

 

一方そのころ。彼らがまだ知らないところで、現代に復活した因縁の敵、オロク・サキことシュレッダーと、異次元からの侵略者クランゲが骨肉の争いを繰り広げていた!というのが、大まかなIDW版タートルズの導入となります。これだけでも、従来のタートルズを知る人には結構衝撃的なのではないでしょうか?

↑最初のタートルズ、「クラシックコレクション」シリーズと同様、最初は全員赤ハチマキ。その理由は、記憶喪失のラファエロの好きな色に染めて、思い出させようとしたことにあります。

 

 

ケイシーとラファエロの友人関係や、赤いハチマキの由来。クランゲやシュレッダーとの因縁のはじまりや、バクスターとホブなどミュータジェンにまつわる関係…といった、初代コミックからアニメ版、その後のシリーズなど様々なメディア展開の良いところをまとめて、新たに再構築したもの。それがIDW版タートルズといえるでしょう。

 

 

ShoPro Booksによる邦訳

このIDW版シリーズを最初に邦訳したのがShoPro Booksでした。2015年から邦訳が開始された本シリーズは、1~5巻と、外伝となる「ミュータントタートルズ:オムニバス」、そしてDCコミックスの大人気キャラとのコラボシリーズである「バットマン ミュータントタートルズ」シリーズが邦訳されたのち、シリーズが休止状態になってしまいます。

現在では旧シリーズ1~5巻は絶版となっており、特に5巻は現在入手困難。

「シティ・フォール(上)」は、シュレッダーとの闘いからはじまる仕切り直しの新シリーズとなりますので特に内容を知らなくとも読める形にはなっておりますが、「過去作を読んでないからやめておこうかな……」と敬遠する方が少しでも減るように、ShoPro Books版1巻から5巻までの内容を少し解説いたします!

 

1巻

記憶を失い、ニューヨークの街を彷徨う亀のミュータント。彼の名はラファエロ。とある事件で自分自身のことさえわからなくなったラファエロは、とある大学生ケイシー・ジョーンズが父から暴行を受けている場面に遭遇。彼を助けて絆を育みます。

治安の悪いニューヨークで度々繰り返される悪事から人々を守る自警団活動を行っていたケイシーに共感したラファエロは、コンビを組んで悪党を懲らしめ始めました。しかし彼らの前に現れたのは、眼帯をした猫のミュータント……オールド・ホブ!

一方そのころ、ラファエロを探す3人のミュータントの姿がありました。彼らの名はレオナルド、ドナテロ、ミケランジェロ。前項でのラボでの出来事で行方不明になったラファエロを見つけるため、前世での彼の好きな色だった赤色のハチマキに身を包んでいたのでした。

ホブの引き連れたチンピラ集団の戦いを目にした彼らは、その中心にラファエロがいるのを目撃。チンピラを蹴散らし、兄弟と再会した彼らは父スプリンターのもとにラファエロを連れ帰るのでした。

↑ホブとの因縁はここからはじまる。

 

2巻

前世の記憶がおぼろげなと、まったく覚えていないラファエロ。彼らは、父スプリンターから数百年前のニンジャとしての過去、オロクたちの襲撃による母の死……そして因縁の敵、オロク・サキにより処刑された過去を聞きます。

ラファエロが見つかったことで、残りの面々は前世で好きだった色のハチマキを身に着け……ついにミュータントタートルズを結成するのでした!

ラファエロと別れたケイシーは、同じ大学に通う大学生、エイプリル・オニールに護身術を教えるバイトにつきます。ストックジェンにインターンとして通っていた彼女は、ケイシーと話すうちにタートルズの話との共通点に気づき、タートルズを紹介してもらうため隠れ家へと向かいます。

一方そのころ、オールド・ホブはタートルズがいたラボ、ストックジェンの所長であるマッドサイエンティスト、バクスター・ストックマンと組むことに。

スポンサーである謎の男、クランゲ将軍に献上するため「成果物」であるタートルズをなんとしても回収したいと考えたバクスターは、ホブに攻撃マシーン「マウサー」を貸し与えます。

ミュータントにも親切なピザ屋の店員、ウッディをラファエロに紹介するミケランジェロ。しかし彼らの不在時に突如、マウサーの群れが隠れ家を襲撃!死闘の末なんとかマウサーを一掃した彼らですが……なんとホブによりスプリンターが連れ去られてしまうのでした。

↑タートルズとして、4人揃っての活動開始。IDW版マウサー登場!

 

 

3巻

タートルズとはじめて出会ったエイプリル。常識外のことに気絶しかけた彼女ですが、ストックジェンでの出来事から彼らが変異したことを確信し、インターン先の研究内容に疑問を持ちはじめます。

実は、実験動物だったスプリンターとタートルズに現代での名前を付けたのはエイプリルでした。彼女は研究所で起こった出来事をタートルズに語ります。

生物の生組織から様々な物質を作るストックジェンで研究助手を行っていたエイプリル。しかしある時、突然謎のニンジャ軍団がラボを襲撃。そのとき刺客にいちはやく気づき、警報を鳴らしてエイプリルを助けたのが変異する前のスプリンターでした。彼女はスプリンターへの恩を返すためにもタートルズへの協力を決意します。

↑転生後の5人の名づけ親はエイプリル。そして彼女の命を救ったのはスプリンター。これも運命…

天才的頭脳でマウサーをハッキングしたドナテロを先頭にし、タートルズとケイシーはスプリンター救出のためストックジェンへと向かいます。……しかしそこに既に父の姿はありませんでした。なんと彼はタートルズが突入する直前、謎のニンジャ集団、フット団に連れ去られていたのでした!

フットの女幹部カライと、キツネのミュータント・アロペックスに連れられ、彼は前世からの深い因縁を持つ宿敵、オロク・サキ……シュレッダーと対面!なぜヤツが現代に蘇ったのか…?二人の死闘が始まります。

↑ついにシュレッダー登場!今回は前世からの因縁の相手という要素も追加。

しかしその時、タートルズが戦いに乱入!4人はケイシーの旧友、自警団パープルドラゴンズを率いる女性エンジェルの手を借りて父を奪還、逃げおおせることに成功するのでした。

時を同じくして、バクスターは任務に失敗したホブを用済みとして始末しようとします。しかし自身も雇い主クランゲに眠らされ、何処かへ連れ去られてしまいます。

↑エンジェルもここで初登場。クラシック1巻1話で出たパープルドラゴンズがなんと自警団に!?

 

 

4巻

バクスターが連れ去られた地は異次元、ディメンションX。突如惑星ニュートリノから転送されてきた戦士の襲撃を受けた彼らでしたが、クランゲはこれらを返り討ちに。バクスターは謎の雇い主クランゲの正体が異次元からの侵略者ユートロミノンであること、巨大基地テクノドロームを建造中であることを知り、自身が大きなことに巻き込まれていることを自覚するのでした。

↑バクスターの出資者だったクランゲが、ついに動き出す!

 

フット団の手を逃れ、平和を謳歌するタートルズたちでしたが、突如負傷したケイシーが転がり込んできます。

飲んだくれの父から暴行を受けたことを察した相棒、ラファエロはついに堪忍袋の緒が切れ、ケイシーの父のもとに殴り込みをかけます。彼を止めに行ったはずのスプリンターでしたが…なんと逆にケイシーの父の喉元に刃を突きつけ、殺すか、生かすか…真の忍(しのび)の道をラファエロに問います。

かつて自身も怒りと復讐の渦に飲み込まれそうになったこと、そして師匠や家族…4人の息子たちがその怒りを鎮めてくれたことをラファエロに教え、再びケイシーの父の命を奪うべきかと問うスプリンター。そんなことをしても状況が悪化するだけと理解したラファエロは冷静になります。

スプリンターはケイシーの父を父親失格とみなし、ケイシーを新たな「息子」として迎えることを決意。バケモノ共と罵る彼に対してこう告げます。「ならばそなたに聞こう…それでも人間か?」

↑スプリンターはケイシーの父を見限り、ケイシーを自分の息子にすると宣言!

 

そんな彼らの前にカミツキガメのミュータント、スラッシュが現れます。ホブの血液を投与されミュータント化した彼は、ミケランジェロによくしてくれるピザ屋の店員ウッディを襲い、彼にトラウマを植え付けます。そして「カメを殺せば痛みが止まる」と信じ込んだ彼はタートルズを襲撃。パワーで4人を圧倒したスラッシュでしたが、レオナルドの刀が偶然その肩を直撃。なんとかスラッシュを退けることには成功したものの、不本意ながら彼の命を奪ってしまったと考えるレオナルドは思い悩むことになります…

一方、シュレッダーは忠臣カライの能力に不満を持ち始め、新たなるターゲットを、ハマト・ヨシの息子の中でとりわけリーダーシップを発揮していた子供…レオナルドに定めることに…

↑ファン人気も高いアニメ出身キャラ、スラッシュも登場。

 

 

5巻

フット団やスラッシュとの戦いを終えたタートルズ。しかし彼らは戦うべき敵の正体も、バクスターの研究の正体やその背後もつかめていませんでした。

それらを探る第一歩として、まずエイプリルはバクスターの研究所に務める研究助手チェットから、ストックジェンで行われていた研究について聞き出すことに。しかしその最中、謎の戦士ニュートリノスが突如転移。チェットと知り合いのように話す彼らは、チェットを連れて行こうとする。すかさず応戦するタートルズ。しかし次の瞬間転送装置が発動。戦士たちの故郷、惑星ニュートリノへ転送されてしまうのでした。

↑タートルズ、IDW版でもついに宇宙に!—

拉致されかけたニュートリノスの指導者トリブ姫を助けて信頼を得た4人は、ニュートリノがクランゲに侵略を受けており、ニュートリノスが所属するNRF(ニュートリノ抵抗軍)との間で戦争が起こっているという現状を知ります。

↑1巻から出ていたバクスターの助手チェット。その正体がなんとフュージトイドという新解釈!

姫の両親、王と王妃がクランゲに捕まっているのを見たタートルズは、クランゲ陣営の拠点に突入。激しい戦いを繰り広げます。チェットの正体――クランゲの陣営に潜入していたロボット、フュージトイドの協力でクランゲたちの兵器の機能を停止させることに成功しますが、なおも強力な武力によって抵抗。たミケランジェロに銃口を突きつけます。

彼との人質交換でフュージトイドがクランゲの手に渡ったものの、クランゲ陣営をニュートリノから撤退させることに成功したタートルズは、なんとか転送装置でニューヨークへの帰還に成功するのでした。

他にもアロペックスが初登場する「ミュータントタートルズ:オムニバス」や、「バットマン ミュータントタートルズ」などもありますが…後者はIDW版とは直接関係がないのと、文字数も多くなりそうなのでこの辺で。

 

 

新シリーズ「アンリミテッド」に向けて押さえておくべき点

今回より始動する新シリーズ、「ミュータントタートルズ:アンリミテッド」は、上記のIDW版1~5巻の直接の続編。

しかし、仕切り直しの新シリーズとなるため、ここから読んでも大丈夫!

基本的な知識もなくても大丈夫ですが、1~5巻で、ここは押さえておくと楽しいよというポイントをピックアップします!

・タートルズの前世、そして生まれ変わり

前項で説明した通り、やはり大きくほかのシリーズと異なるのがタートルズ出生の秘密。

かつて戦乱の世を生きたニンジャの家族が動物たちに転生した!というのも衝撃ですが、そのままではただの実験動物に過ぎなかった彼らが変異するきっかけはバクスターの研究であり、そのスポンサーは侵略者クランゲであり、クランゲと勢力を争うフット団のトップには前世からの因縁深い、現代に復活したシュレッダーが…という、過去シリーズの因縁を再構築したような組織図が魅力の一つです。

 

・ケイシーとラファエロの友情!

記憶喪失のときに出会い、友情を深めたケイシーとラファエロ。「クラシックコレクション」の時代から、数多のシリーズで友達として描写されてきた彼らですが、本作ではケイシーが正式にスプリンターの「息子」に。タートルズ、特にラファエロとケイシーの親愛の情が深く描かれているところに注目ですね。

・パープルドラゴンズが味方!?

注目すべきキャラとしては、自警団パープルドラゴンズを率いるケイシーの幼馴染エンジェル。3巻に引き続き新シリーズでも協力してくれる彼女ですが…パープルドラゴンズとはそもそも初代「クラシックコレクション」第一話でタートルズにボコボコにされたギャング集団。

最近では「ラスト・ローニン LOST YEARS」でもフット団壊滅後に再び活動を活発化させている奴らが、なんと味方に…というポイントもまた、過去作との大きな違いになりますね。

 

・続々登場、ミュータントたち!

ラファエロを襲い、スプリンターに右目を傷つけられた野良猫オールド・ホブ。ミュータント化した彼は、ある時はチンピラのボス、ある時はバクスターの手下…所属を変え目的を変え、タートルズに戦いを挑んできた、IDWオリジナルキャラである彼の今後の方針には目が離せません。

また、以前の戦いを生き延び、再び現れたスラッシュにも注目です。初代アニメシリーズにて初登場し、その「悪のタートルズ」とでも言うべき容姿からその後のシリーズにもたびたび姿を見せる彼は、今回は少しコミカルでカワイイところも見せてくれます。

そしてフット団に所属するホッキョクギツネのミュータント、アロペックス。初登場となる「ミュータントタートルズ オムニバス」では、右も左もわからないまま変異して助けを求めるフリをして、ラファエロを騙し討ちしようとしました。ただの敵の一人ではなく、これから数奇な運命を辿ることになる彼女の動向にもご注目ください。

新シリーズ「アンリミテッド」はこれからも続きます!「ShoPro Books版を読んでないからなあ…」とこのシリーズを読まないのはもったいない!このシリーズが末永く続くには皆様の応援が必要不可欠です!

タートルズがお好きな方、ShoPro版から追っている方、新しくここから読む方も是非「ミュータントタートルズ:アンリミテッド シティ・フォール(上)」は一度読んでみてください!

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