こちらは後編になります。
前編はこちらから!【Blog:アメコミにおけるゴジラの歴史①】
新作「ゴジラ クラシックコレクション’95」1巻発売中!
今回は、ゴジラアメコミの歴史を紹介した前回の続きから。
番外編 フェーズシックスのコミック、どれから読む?
前回はゴジラアメコミの歴史を語って参りましたが、重要な問題があります。
「結局、ゴジラのアメコミって何作あるの?どれから読めばいいの?」
本音を言ってしまえば、フェーズシックスの邦訳シリーズは全部読んで欲しい!と言いたいところですが、なかなかそうはいきませんよね…
そもそも弊社ゴジラアメコミシリーズは続きものなのか?というところですが、実は「ルーラーズ・オブ・アース」の5巻分・これからの「クラシックコレクション’95」シリーズ以外は独立した1冊読み切りとなっておりますので、どのシリーズから読んでも大丈夫です。
「ゴジラ ルーラーズ・オブ・アース」シリーズはそれ以前に製作されたIDW社のシリーズの内容を若干引き継いではおりますが、基本的にそのシリーズだけ読んでも大丈夫な作りにはなっておりますし、他作品に関してはそもそも根本の設定などが異なりますので、ゴジラ映画と同様気に入ったシリーズからお読み頂ければと思います。
独断と偏見で、弊社「ゴジラ」シリーズおススメランキングをご紹介!
6位:「ゴジラ ルーラーズ・オブ・アース」シリーズ(全5巻)
東宝怪獣大集合!「IDWのゴジラシリーズ」の雰囲気を知るにはやはりこれ!…と言いたいところですが、やはり全5巻あるのでやや難易度が高いか?ということでこの順位となっております。まず1巻を読んで、雰囲気を知って頂くというのもいいかもしれません。
ゴジラの存在が常識となった世界。ゴジラ襲撃とともに世界各地で怪獣たちが暴れだす!その影には、宇宙人たちの存在があった…という物語。全編通してあのマット・フランクが美麗なアートを描いているのが特徴です。
その最大の魅力は、実写映画では見られなかった夢の組み合わせ!ゴジラVS「ジラ」、サンダ&ガイラVSバランや、機龍メカゴジラに登場するジェットジャガー!そして量産型の昭和メカゴジラ軍団に、極めつけは新怪獣トリロポッドに対抗したゴジラとスペースゴジラの共闘!などなど「こんな絵が見たかった!」というシーンの連続となっております。
その思いは間違いなく、作画しているマット先生自身も同じでしょう。
5位:「ゴジラ レジェンズ」
題材が題材ということもあり、若干上級者向けかな?と、この順位に。
ゴジラシリーズの「脇役」にスポットを当てた作品。マット・フランクが描くアンギラスVSデストロイアをはじめ、平成メカゴジラVSヘドラや、生きたゴジラに“登山”する男など「こういった切り口があったか!」という斬新な設定で描かれるオムニバスコミックです。
ゴジラシリーズの主役たるゴジラが一番、という方にはおススメし辛いですが、面白さは保証いたします。
4位:「ゴジラ in HELL」
ゴジラ、地獄に落ちる!?という衝撃のキャッチコピーでお馴染みの作品。コミックというよりビジュアルノベルのような側面が強いこともあり、この順位となりました。
そのタイトル通り何の説明もなくある日突然ゴジラが地獄に落ちた!という衝撃のスタートを切るオムニバスですが、当然怪獣王はその程度でひるむ訳もなく…獄卒を倒し、天使を蹴散らし、悪魔を焼き尽くす!という暴れん坊っぷりを衝撃のビジュアルで描いており、必見です。地獄の番犬たる三つ首のケルベロスのように、キングギドラが番人として立ちはだかるのは配役の妙を感じます。
余談ですが、原書ではマット・フランクもヴァリアントカバーを描いておりました(本作ギャラリーにも収録)。しかし実際に使われたもの以外に、ラフ段階で没になった表紙が存在したのです。
その表紙をまさに地獄から蘇ったかの如く使用したのが、この「ゴジラ・ストア限定版」カバー!まだ在庫もあるようですので、ぜひお求め下さい。
3位:「ゴジラ レイジ・アクロス・タイム」
やりたい放題!!という言葉がよく似合う一作。人類の歴史の裏には、常にゴジラの活動があった!?という切り口の短編集で、黒死病を撒き散らす悪竜、メガギラスに立ち向かう騎士!古代ギリシャ、オリュンポス12神とゴジラの壮絶な戦い!といった我々も知らない「歴史の真実」が描かれています。
日本人なら誰でも習ったことがある「元寇」も、マット・フランクの手により和のテイストで描かれています。
日本壊滅のためモンゴルの龍使いに操られたガイガン、メガロとの戦いに突如乱入したゴジラが「神風」として鎌倉幕府に記録されたのは歴史の授業で習ったかと思いますが…………習ってない?
本作によって「ゴジラというものは、自由に描いていいんだ!」という世界観の広がりを見せたのは間違いないでしょう。
2位:「ゴジラ ハーフセンチュリー・ウォー」
傑作、という言葉が似合う作品。1954年に現れたゴジラと戦った、自衛隊員ムラカミ・オータ。相棒とともに米軍の対怪獣部隊にスカウトされた彼らはベトナム戦争でアンギラスに遭遇。そこからヘドラ、バトラ、メガロ等多数の怪獣が出現し、世界は荒廃していく…
果たしてその背後にいる者とは?半世紀にもわたりゴジラを追い続けるオータの行く末とは!?という壮大な大河ドラマを、コミックの殿堂・アイズナー賞を惜しくも逃した鬼才、ジェームズ・ストコーが描いております。
作中登場する謎の科学者デヴェリッヒ博士の名前を、ハリウッド版「Godzilla(1998)」の脚本ディーン・デヴリンと監督ローランド・エメリッヒの名前からとっているのも、ちょっと面白ポイント。
何より素晴らしいのは、物語性がある上に1冊で完結する、というところです。1話完結のオムニバスではなく連続性がある物語でありながら、5話できっちり完結させているところにストコー氏の人間ドラマにおける素晴らしい才を見ることができます。
ゴジラ・ストア限定版として、マット・フランクが美麗な表紙を描き下ろしているのもポイント。1954年の若かりしオータと、50年近い時を経て歴戦の勇士となった現代のオータが表裏で繋がるカバー!最高の一言です。
1位:「ゴジラ クラシックコレクション’95」1巻
やはり最後は新シリーズ!ゴジラに復讐を誓うヨシワラ博士の開発した毒薬で、眠っていたゴジラが復活。血を吐きながら暴れまわるゴジラに対し米軍が秘密兵器を出動させる中、「Gフォース」の運命は…?
そしてゴジラの吐く血液により有毒物質が撒き散らされていることを知ったヨシワラ博士の決断とは?
日本人のほとんどが知らないロボット兵器サイバーザウルや宇宙蝙蝠怪獣バゴラなどが登場するのがおススメポイント。科学者のカガク博士(原文ママ!)率いる対ゴジラ組織、「Gフォース」の面々がそれぞれ「ファンタスティック・フォー」を思わせる関係性となっている(科学者、その妻、妻の弟、腕っぷしの強い大男)のも、注目して頂けると面白いかもしれません。
90年代のレトロな雰囲気と、先が読めない新鮮な物語をぜひご堪能下さい。
ゴジラ・ストアでは4巻分を繋げると横長の絵となる限定表紙もご用意!
マット・フランク描き下ろしですので、ぜひお求め下さい!
今後のフェーズシックス「ゴジラ」アメコミシリーズは、ダークホースの「クラシックコレクション’95」と、IDWのコミックシリーズという2本の柱で動いて参ります。
さらになんとガイガン50周年に向けて、マット・フランクが何か企画を進行中!?
これからも止まることなく続いていくシリーズにご期待下さい!